来世はアメーバがいい

ホモサピエンス、難易度が高すぎて困っちゃう

コロナ禍で転職して自信が回復した話

コロナ禍で転職したので、記録をつけておこうと思います。

前提として、私の情報

・30代独身

・転職2回目

・一社目 研究開発(出向)

・二社目 品質管理

一社目では出向先企業で研究開発の仕事をしつつ、自社(派遣元)の仕事もリモートでやるという二足の草鞋でした。自社の業務ではPJチームも受け持っていて、マネジメント経験も数年あり。新卒から7年在籍。

二社目は研究開発から品質管理に転向。受託製造のいわゆる零細企業で、実際には品質保証の業務まで幅広く担当していました。こちらの在籍期間は二年ほど。


転職理由

一言でいうといろいろな意味できつかったから、その割にはキャリアにならないからです。

不安定な零細企業で人の出入りが激しく、ノウハウが全く蓄積されていない。そのため教育もとても適当で、かつ上層部の意見も一致していない。自転車操業で目の前の仕事をこなすのに必死で、長期的な事業計画もない。

こういう状態なのでトラブルも非常に多く、現場は常に混乱していました。担当する業務の幅は広かったけれど、誰も正しい知識を持っていないため、「これでいいのかな?」という手探り状態でこなすしかなく、スタンダードを学べない状況では、ただ仕事をしているだけになってしまい、うまく経験が積めませんでした。

特に私の場合、教育担当が非常に適当な人だったので(のちに左遷された課長)、基礎の段階からぐらぐらしていました。嘘もたくさん教えられたし。

そういう状況にプラスして、深刻化する人手不足。「品質管理は直接生産に関わっていないから(?)」という理由で、少ない人手をさらに減らされ、過去最低人数に。一度業務で腰を痛めましたが、人手不足のため代わりの人材がおらず、そのまま業務を継続するという地獄もみました。

あとはQAを敵視する製造部長がいて(昔のQA責任者に色々嫌な思いをさせられて、QAそのものを嫌いになったらしい、知らんがな)、ちょこちょこ嫌がらせをされていました。嫌味なしに会話ができないというものすごく性格の悪い人だったので(必ず一言嫌味を添える。添加物か?)、自分の部署の部下やパートさんからも嫌われていましたが、仕事はできる人だったので誰も逆らいませんでした。面と向かって反論していたのは私くらい?なので蛇蝎のごとく嫌われていた。

裏でパートさんに「ケツの穴のちいせぇ男」と呼ばれていたのが忘れられません。確かに気は小さかった。トラブルが起こると周りに当たり散らして自己保身に必死になる人でした。俺は悪くない!そうですね、今それ聞いてないから。

最悪なことにこの製造部長が品質管理に異動になりまして。品質管理の知識は一切ないし、化学的知識もないので試験のことも分からない(勉強するつもりもない)が、「今後の彼のキャリアパスのために」異動になるそうです。

おお~ん????同僚と目を丸くしました。ゆくゆくは品管責になるそうで…理化学試験の知識がまるでないのに???どうやって試験の合否を判断するの???お飾り品管責になるのだろうけれども、それってやったらダメでしょう。

このままこの会社にいたら大きなトラブルに巻き込まれることになるな…と確信した瞬間でした。

直属の上司のことは嫌いではなかったですが、上司としてはかなりきっついなというのが正直な感想でした。教育という観点がない、報連相が全くできない(なので情報がなくて現場が余計に混乱する)、こちらが報告したことを光の速さで忘れる…etc。

もうこの上司が嫌で同僚は転職を考えているそうです。私は嫌味な製造部長の方が嫌だけど、同僚は上司の無能さの方がしんどくてたまらないらしい。

上司は気は優しいので相談もしやすかったし、こちらの意見もよく取り入れてくれていたので、そういうところは好きでした。でもやっぱり、一緒に仕事をしたいかと問われるとNoですね…業務が全く円滑に進まない。しんどいです。

そんな感じで、腰を痛めたりといった物理的な仕事のしんどさだけでなく、会社の体制も含めていろいろな部分で「嫌だなぁ」と思うことが増えて、仕事を辞めたいなと思うようになりました。

ちなみに残業時間は月40時間ほど、休日出勤が月に2回ほどで代休はありませんでした。忙しいこと自体は苦にならないんだけど、そこに上記の問題が重なってくるのでしんどさが増してしまった。仕事が楽しいと残業は苦ではないんですけどね。

 

キャリアコーディネーターの一言で転職を決意

仕事辞めたいなぁ、と思ったのが年末。腰を痛めたのが年明け。

でもさすがにこのコロナ禍での転職は躊躇しました。今の会社に在籍してまだ二年経っていないですし、早すぎる気もして…(歴代のQAの人はほとんど二年以内に転職してますが)

それ以前に、私の経歴で仕事って見つかるのか?という不安もありました。前の会社にはいつでも戻っておいで!と言われていたので食べてはいけるのだけれど、年収がだいぶ下がってしまう。今の年収を維持するだけの仕事先は見つかるのかがネックでした。

ただ、前の会社に戻れるという最終手段があるのは心強かったです。逃げる場所があるというのはとても安心しますね。実家かな??

とにかく、まずは市場の調査からだなと思い、転職サイトに登録しました。とりあえず一番有名なところ!と思って、登録したのはリクルートエージェントです。

転職サイトの対応、めちゃくちゃ迅速ですね。登録してすぐさまエージェントの人から面談の申し込みがありました。

1月末、転職エージェントさんと電話面談。今の仕事の不満点、転職するかどうか迷っていることや、経歴が通用するかの不安も含めて全部正直にお伝えしました。

そしてエージェントさんから返ってきた回答は、

・今の職場環境は第三者から見てもよくない、転職した方がいい

・経歴は十分通用する、絶対に仕事は見つかる

でした。あなたの経歴ならだいたい二か月で見つかりますよ、と断言してもらって、その力強さにちょろい私は「はい…転職します♡」と即落ちしました。二コマです。

耳障りのいいことを言ってる部分もあるのかなぁとは思ったんですけど、キャリアコーディネーターの人がすごくしっかりした感じのお姉さんだったので信じることにしました。君に賭けた!

ちなみに、求人数へのコロナ禍の影響はほとんどありませんでした。いわゆるエッセンシャルワークなので、コロナ禍でも業務量は変わっていなかった。求人数もコロナ以前と変わりなく横ばいだそうです。

しかし観光業や飲食など、コロナ禍の影響をもろに受けている業界は求人数が約半分に落ち込んでいるとのことで、コロナの影響は凄まじかった。はやく収束することを祈るばかりです。

 

実際の転職スケジュール

・1月末 キャリアコーディネーターと面談、転職を決意。職場に辞意を伝える

・2月上旬 書類作成、応募開始 気になる求人にどんどこ応募

・2月中旬 書類選考が通った企業のSPI、面接開始(3社選考が進む)

・2月下旬 ぼちぼち面接終了

・3月頭 内定(2社内定、1社選考辞退)

というわけで、コーディネーターさんの「二か月で仕事見つかります」の予言以上の速さで転職が決まりました。約一か月で終わった。

自分を追い込む意味も込めて、会社には早々に辞意を伝えました。製造部長はにやにやしながら「次きまってるのか?決まってないんだろ??」と言ってきましたが、その後選考がさくさくと進んでさくっと転職を決めたので、とても嫌そうな顔をしていました。にこにこしちゃった。

上司は「そんな!辞めちゃうの!?なんで!?」と驚愕していた。私は日ごろからしんどいことや改善してほしいことを伝えていましたが全く本気にしてなかったんだなと分かりました。熟年離婚されるタイプだ…。

真面目に考えてほしいんですけど、腰を痛めてるのに「代わりがいない、労災にならないように気を付けて業務を続けろ(すでに労災!)」って言われる職場で働き続けたい奴、いるか?いねぇよ。

 

活動するときに注意した点

・応募はがんがんやった

・日程の返信などリアクションは迅速に

・聞きたいことはどんどんコーディネーターに相談する

とにかく後悔のないようにしたかったので、コーディネーターさんへの質問などは遠慮せずにやりました。応募は20社近くやった。数を打たないと当たらないと思ったので、「高望みだな」という案件にもとりあえず応募しました。

書類が通過したのが3社。その三つはすべて選考が進みました。そのうち1社は途中で選考を辞退しましたが(内定が取れたので)、面接の勝率は100%でした。

というのも、コーディネーターさんが面接指導を丁寧にやってくれたので、それぞれの会社に合わせた対応ができたから。コーディネーターさんはうちの業界専門の人で、企業ごとの特徴をよくご存じでした。さすがはプロです。すごい!

 

コロナ禍の転職はWeb面接なのでとにかくスピーディ!

やっぱり最大の特徴はここなんじゃないか?と思います。

基本的に面接はすべてWebで行われました。WebExを使う企業もあったけど、それ以外はZoom。面接官の人は自宅から参加している方もいましたね。リモートワークだ!

今回こんなに早く転職が決まったのも、Web面接による時間の省略が大きかったと思います。私も移動しなくて済むし、企業側も人を1か所に集めなくていいので、面接の日取りがサクッと決まる。

これは採用活動において大きなメリットなんじゃないか?と思います。コロナが収束しても、採用のやり方のひとつとして定着しそうですね。なによりお財布に優しい!

 

結果的に転職は大成功した

めちゃくちゃ成功しました。零細企業から大企業に行くことになった。従業員数がね、200倍近く差がありますね…。

小企業を経験して、その逃げ場のなさに嫌気がさし、大企業メインで受けていたからというのもあります。小企業は部署がひとつしかないから、嫌な目にあっても部署異動で逃げたりができない。ずーっと付き合い続けないといけない。

小さな会社かだから実力主義かといったら全然そんなことはなくて、人望が全くなくマネージャーとしての能力に欠けていても、プレイヤーとしてそこそこ優秀なら上に行ってしまう。あと声の大きな人が権力を得やすい。もちろんその辺は経営者の手腕によるとことが大きいのだと思いますが、小企業は経営者が現場に無関心だと無法地帯になってしまうというのがよくわかりました。

大企業だったらその辺解決するのか?と問われると何とも言えないけれど、少なくともコンプライアンス意識は高いです。世間の目があるから。相談窓口も設置してあるし、部署の数も多いので、「逃げ場」がある。産業医もいますしね…。

選考の進んだ3社の中には第一希望の企業がありまして、最終的にそこに決まりました。企業規模が一番大きかったことも決め手のひとつではありましたが、一番は「従業員を大事にする企業」であることでした。

もともとその企業のそういう社風は数年前に読んだ経済紙に載っていた記事で知っていて、その時から良い企業だなぁと憧れがあった。なので、今回その憧れの企業に就職することが出来てとてもうれしいです。

それだけ大きな企業に行くとなると、大変なこともすごく多そうでそこは憂鬱ですが…でも今の会社から脱出できるしキャリアアップになるので、頑張りたい。

あとお給料がすごいですね!!!!ベース給だけで今の残業代込みの年収を超えます。残業代や手当も含めれば、今の年収から100万ほどアップします。おお…ソシャゲにたくさん課金できる…。正直うれしいですげへへ。

 

転職活動中たくさん褒められてうれしかった

一番びっくりしたのはこれでした。私はいわゆる「震災世代」で、東日本大震災の時に新卒就活していました。ちょうど氷河期の終わりごろなんですが、この時は終わりかけた氷河期が震災でまた凍り付いたんですよね。

もう全然受からなかった。圧迫面接とかはなかったけどそもそもほとんど面接に辿り着けなかった。就職先が決まらない人も多かったです。

一度目の転職はすぐに今の会社に決まってしまって、ほかを選ぶ余地がなかった。今回初めて複数の会社からオファーを受けるという経験をしました。一社は途中で辞退しましたが、来てほしいという連絡が入っていた(あと面接中、上役の人から死ぬほど褒められた)。

行くことを決めた第一志望の会社は最終面接の翌日に即内定の連絡をくれたし、第二志望の会社はコーディネーターさんも驚くようなお高めの年収で、かつ熱烈なオファーレターを添えて連絡をくれました。

面接中も含めて、たくさんお褒めの言葉をもらいました。考え方とか、仕事のやり方とかを褒めてもらった。

今の会社では、私のやり方はとても煙たがれていました、主に製造部長に。製造部長は私によく「経験もないくせに口を出すな」と言っていた。私の意見が正しいかどうかではなく、意見自体を述べるなと。もちろんそんなことを言っていたのは彼だけで、ほかの人には全く言われたことがありません。

ただ、私は「業務改善提案」はやって当たり前だと教えられてきたので(むしろやらないと怒られた)、「意見を述べるな」という考えの人には初めて遭遇しました。いや、そういう人の存在は知っていたけれど、この時代に本当にいるんだなって…。

面接のとき、「あなたは今の会社の不満点に関して、会社に業務改善提案をしましたか?」と尋ねられて、製造部長に「甘えだ」と一刀両断された意見を話したんですけど、面接官の人はその答えに満足していたのが印象的でした。同じ意見でも、評価が正反対だった。

(ちなみに言ったのは「業務が回らないので人手を増やしてほしい」「人員削減をするなら理由を話してほしいし、それがいつまで続くのかも説明が欲しい」「事業計画を一切話してもらえないので会社の先行きが見えなくて不安」「情報が下りなくて現場が混乱している、もっと情報共有してほしい」とかそういうことですが、製造部長曰くこれは全部「甘え」だそうです)

なんていうか、今の会社で自分のやり方が全然通じなくて、自分の考えが「間違ってる」みたいな扱いを(製造部長から)されて、私がおかしいのかな?と思っていたんですよね。自信が持てなくなっていた。

なので今回、コーディネーターさん含め、転職活動に関わった人々から「君の考え方は間違ってない」と評されたことがとてもうれしかったし、ほっとしました。

私の仕事に対する考え方は一社目で培ったものだけれど、私は一社目の会社が好きだったし、楽しく仕事ができた。だから自分の考え方が通用する会社でなら、少なくとも今の会社に感じるようなしんどさはなくなるんじゃないかと思います。

出来るだけ楽しく仕事がしたいです。

 

最後に、私の転職が呼び水になって同じ部署の同僚も転職活動を始めており、製造部の人も水面下で転職を志している人がいるそうです。

私の転職を機に上司はようやく人員の補充を経営者に掛け合ったそうですが、却下されたらしい。その経営者はこの人数じゃ絶対に無理!というような夢物語レベルの案件をもってきてそれに夢中になっています。

仕事の量は増えているが利益率は下がっており、経営は赤字、ボーナスもカット。そのうち潰れるんじゃないかなぁと思っています。

同僚にはぜひ転職してほしいです!そして部署にとどめを刺してほしいです!!!!

今の会社には感謝より恨みの方が多いですが、でも嫌な会社だったからこそ転職を決意したわけで、そこは本当によかったなと思います。ありがとう製造部長!!