来世はアメーバがいい

ホモサピエンス、難易度が高すぎて困っちゃう

私が会社を辞めた理由についてとか、色々。

金曜日が最終出勤日でした。出張先の関西で迎えました。

二週間何をしてたかっていうと、新人社員の研修をしてました。研修資料すらそろっていない状態で30人近くの面倒を見ないといけなくて、研修を作成→翌日講義→次の日の研修を作成…という自転車操業で二週間を乗り切りました。残業時間がやばかったです。10日間の勤務で40時間行きました。わーお。

まあでも新人さんと触れ合うのは楽しかったです。いろんな子がいました。若いってすごいですね。それだけでパワーに満ち溢れている。新人の子たちに伝えたいことは全部伝えられたのでよかったです。

一緒に研修を担当した社員は今回が初めて会う人ばっかりだったんですけど、みんないい人でとても楽しくお仕事出来ました。私が研修資料の作成と講義に慣れているのでそっちはほぼほぼ担当していたんですが、そのおかげで地獄に仏…みたいな扱いを受けました。その代り私は裏仕事には一切かかわらなかったんですけれども。

私が退職するということもあって、なんだか気を使っていただいて、色紙とかもらいました。新人の子たちも二週間だけかかわった先輩に色紙をかけと言われても困っただろうに、それなりに熱いメッセージを書いてくれていて、ホントいい子たちだなぁと思いました。素直でかわいいね。

なんだかんだ、うちの会社にはそういう人が多かったと思います。素直でかわいい。

給与とか、勤務時間とか、そういう部分は決してホワイトとは言えない会社だったけど(残業代は出るけど給与自体が低いし残業時間がえげつない)、少しずつホワイトにしていこうと改革は進んでいるし、会社の社員に対する考え方自体はとてもまっとうでした。そういうところが好きで、給与が低くてもずっと居続けたんですよね。

じゃあなんで辞めるの?続ければよかったんじゃないの?という部分。本当はね、別に辞めたかったわけじゃないんですよね。でも、怖くなってしまって。

社歴が長くなるにつれて、業績を出していくにつれて、私に対して意見を出してくれる人が減っていったんです。どんどん。私が何かを言えば、みんな「それがいいと思います!」っていうし。あと、ほめられることがどんどん増えていって。凄く褒めてくるんですよ、上も下も。あなたがいないと!あなたじゃないと!と言われる。それが、怖くなりました。

なんか、自分がどんどん、増長していくんじゃないかっていうのが怖かった。私は脳の衰えを日々気にしている人間なんですが、前頭葉が衰えて、感情の制御が出来なくなって、人に嫌な思いをさせてしまうのがとても怖いんですよ。ただでさえ歳を重ねていけばそうなっていくのに、今もまさに加齢とともに前頭葉が衰えていっているのに、それを加速させるような環境に身を置くことが恐ろしい。謙虚さを忘れずにいたいのに、謙虚さを奪い取っていくような環境が怖くなりました。

母には「それは自分の力で勝ち取った環境ではないの?」と言われたんですが、私はこういう環境がほしかったわけじゃない。褒められるために、頼りにされるためにやったんじゃないんです。ただ与えられた仕事を、楽しくやるにはどうしたらいいかなって考えて、実行していっただけで。褒められるとか認められるとか、そういうのは副産物的なものでしかなかった。

だから、もう一度、ヒラからやり直したかったんです。

誰も私のことを知らない場所で、誰かの上に立つのではなく、誰かの下に入って、ひたすら学ぶだけの存在になりたかった。

転職の面接では、「部下がいた立場なのに、今更ヒラに戻れる?」と訊かれましたが、それこそが私の求めていたことだったので、めちゃくちゃ頷きました。

もちろん立場が変わることで、忘れていたやりづらさみたいなものが再びやってきて、「昔はよかったな」と思うこともあると思う。だけどそれは、もう一度謙虚さを取り戻す機会が与えられたんだと思って前向きにかんばりたいと思っています。

 

就職氷河期の頃に路頭に迷いかけていた私を拾ってくれて、色々な経験をさせてくれた会社にはとても感謝しています。すごく大変なこともたくさんあったし、頭を抱えたことも何度もあったけれど、でも振り返ってみるといつも楽しかった。面白く仕事が出来ました。そういう会社にいられたことは、とても幸せだったと思います。

次の会社がどういう場所なのか、実際のところは分からないんだけれども、「環境を作るのは自分自身」ということも学んだので、なんとか頑張っていきたいです。

七年間、ありがとうございました!