すべてにおいて存在のやかましい左隣と、生死すら定かではない虚無の右隣に挟まれている

アパートの話です。

左隣がうるさい。とにかくすべてにおいてうるさい。騒音もうるさいが、視覚的にもうるさい。視覚的にもっていうのは、無断駐車と窓から見える汚部屋具合。駐車場のないアパートなんですが、配送トラックなどが一時的に駐車できるスペースがあるんですよ。そこに停めている。仕事から戻る夜間だけ停めているようなので、管理会社も気づいていないみたい。汚部屋具合もなかなかです。窓の下部だけカーテンの裾がめくれているんだけれども、様々なものが窓辺にぐちゃぐちゃに押し寄せている。ひえええぇ。まあ私も部屋の片づけは大の苦手なので偉そうなことは言えません。

騒音は、ＴＶの音と笑い声といびきです。いびきはまあ仕方ないよね、生理現象だし。笑い声は定期的に響きます。笑い上戸みたいで、ＴＶを見てよく笑っている。

ＴＶの音は、夜中に一度大音量で流していたことがあって、流石に切れて壁ドンかましたらそこからだいぶ音量が絞られるようになりました。特に夜は気を使っているみたい。それでも音漏れしてるけど、それはたぶん壁が薄いのとＴＶの配置のせいだと思われる。こっちの音もある程度はあちらに漏れていると思うので、多少の音漏れはお互いさまで流しています。お互い様だから、私が部屋でエンヤとオフスプリングを交互に流して遊んでても怒らないでね！

まあそんな左隣なんですが、これに対して右隣がね、マジで虚無。

虚無なんですよ。何の音もしないの。こんなに壁が薄いのに！何の物音もしない。人が住んでいなんじゃないか？と思うけれど、カーテンはかかってるし、一度だけ掃除機の音がしたんですよね。ポストも封鎖されていないし。だから誰かしら住んでいるはずなんだ。しかし何の物音もしない…これはこれで怖いです。

それにつけても左右でどうしてこうも対照的なんだ。そこは対にならなくてもいいのよ。

まあ、家賃3.5万円の激安おんぼろアパートに住んでいる人間なんて、みんなそれなりだと思っています。私を含めてね。しっかりした人はそもそもこんなところ選ばないですわ。

私は自分が生活面でしっかりした人間ではないという自覚があるので、何かあっても「お互いさまだろが！」で言い返せる環境に身を置いておきたいのです。そういう理由で、いつもそれなりのアパートに住んでいます。